ニオー洞窟へ
朝早く。息子はベランダの窓から外をチェック中。向かいのレストランの食材搬入や、行き交うクルマなど。朝から食欲旺盛。
トゥールーズからどんどん南下し、ピレネーの田園風景の中を走ります。途中、Foix フォアの街で昼食購入。フォアには3つの塔を持つ、かわいらしいお城がありました。
今日の主目的である grotte de Niaux 二オー洞窟は13:45の案内を予約していて、13:30には現地入りする必要があります。少々焦り始めたところで、大問題。間違えて遺跡公園に迷い込んでしまいました。二オー洞窟とは反対方向ですが、商業施設のため、大きな看板を出していて、うっかりそちらにハンドルを切ってしまったのです。これは違うと気づいてあわてて元の道を戻ったのですが、約束の時間が迫ります。更に慌ててまた道を間違え、そこで慌てすぎてなんとエンジンがかからなくなったり(フランスのレンタカーなので当然マニュアルです)、トラブル続出。実は二オー洞窟の入り口は、自分たちのすぐ頭上に見えていたというのに。
やっと二オー洞窟の駐車場についたときには13:45を少しオーバーしていました。走って案内に合流。手提げ式の大きな懐中電灯を渡され、つい受け取ってしまいましたが、見学中、重くて邪魔でした。ライトを持参していれば断ることも出来ます。
二オー洞窟には、生き生きと描かれた先史時代の壁画が多く残されています。洞内に入ると、空気はとても冷たく、足場が悪い上に足下はしたたり落ちる水で濡れていてツルツルと滑ります。約1キロ、1時間半の行程です。洞窟探検を楽しみにしていた息子も最初はかなり怖かったようです。私も、真っ暗で巨大な地底の空間に胸が空洞になるような畏れを感じました。
洞窟をかなり奥へ進んだサロン・ノワールと呼ばれる場所に壁画があります。バイソン、長い角を持つ鹿などが、黒や褐色の力強い線と、天然の岩の持つ起伏の陰影で、闊達に描かれていました。
最初は怖がっていた息子も、洞窟探検が進むにつれ楽しくなってきたようで、暗闇の中の長い道のりに疲れる大人達を横目に、最後にはまるでパーティーのリーダーのように先頭を歩いて元気に振る舞っていました。
洞内から吹いてくる涼しい風を背中に受けながら、大きな岩に座って、遅い昼食を食べました。息子は張り切って良く食べました。
洞窟前の展望台からの景色。
施設のトイレがまた凄い。背面と天井は天然の岩壁を利用しているのですが、非常な手間ひまをかけてその味を残してあるのです。こういう遊び心、結構好きです。
田舎の景色を見ながら今度はフォア経由で今日の宿泊地St Lizier サン・リジエへ。フォアの城を見たかったのですが、ちょうどお祭りで、公共の駐車場は移動サーカスに占領されていました。町中の隙間という隙間には、びっちり車が停めてあります。前後の車に微妙に当てながら縦列駐車する南欧式駐車術は、未だ夫も私も習得しておらず、泣く泣く城を諦めて直接サン・リジエのシャンブル・ドットに向かいました。
途中、地方の名産品を即売しているカフェで一休み。
この日以来、息子はシロップ水にはまりました。
サン・リジエに着くともう夕方。民宿の場所が判りづらく、急な坂道をグルグル走り回りました。結局公共駐車場に車を停め、民宿まで歩いて行きました。
「フランスの美しい村」にも選ばれている、サン・リジエを散策。素敵な風情のある古い村です。朝にはこの噴水で犬たちが行水をしていました。
この村も鷲の巣村です。丘の頂上には城跡がありました。今はレストランになっています。ホテルもあり、改装工事中でした。
城壁からの眺めは素晴らしかったです。壁の後ろは断崖なので、ちょっと腰が引けている息子。
シャンブル・ドットで紹介してもらったレストランで夕食にしました。村の麓を流れる川岸にある、眺めの良いお店でしたが、そこまで降りて行く坂の急さにびっくりしました。八方尾根の「名木山の壁」のような急坂なので、傾斜35°はあるかも。
アミューズに出してくれた魚の出汁を使った卵のムース。濃厚な茶碗蒸しを彷彿させる味。
すっかりおなかが一杯になり、お酒も回ったところで、帰りも地獄の急坂。眠くなってしまった息子を抱っこして登ってくれた夫よ、お疲れ様でした!
by ma-puana | 2011-09-01 14:29 | フランス・洞窟壁画の旅